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健康づくりのためには何歩くらい歩けばいいか?
ウォーキングは、今や健康づくりのための運動の“定番”となっていますが、1990年以降、運動量の目安として普及していったのが、「1日1万歩」です。
この「1日1万歩」には科学的な根拠があったわけではないのですが、目指すべき目標値のようにあつかわれました。
そうした状況のなか、1日に何歩くらい歩くのが健康づくりのために有効なのかについて、大規模で長期的な研究が日本で行われました。
それが、「中之条研究」といわれるものです。
中之条というのは群馬県の町で、この町の住民5000人に対して15年間にわたって調査した中之条研究は、世界的にも高く評価され、有名になりました。
身体活動計を使って24時間365日調査するという、かつてない研究で、しかも15年間という長期にわたって行われました。この研究を主導したのが、東京都長寿医療センター研究所運動科学研究室長の青栁幸利氏です。
中之条町が青栁氏の生まれ故郷であることもあって、町ぐるみでこの研究に協力してくれたからこそできた希有な研究です。
この研究で新たに出てきた目安が、「1日8000歩/20分」というものです。
この8000歩は24時間のトータルの歩数です。
そして20分というのは、「中強度の運動」を行う時間です。
「中強度の運動」とは、ウォーキングでいえば、「速歩き」がそれに相当します。
歩数だけでなく、「中強度の運動」を行う時間と組み合わせているところが、この研究の非常に重要な点です。
健康科学に関する研究は日進月歩で新しいものが次々に出てきますが、そのなかでもこの研究の意味するものは画期的だといえます。
この研究の成果によって、「1日1万歩」に代表されるウォーキングの常識がかなり見直されることになりました。
なんだか最近身体が疲れやすかったり、運動不足が気になる方は、「1日1万歩」を目標にウォーキングを始めてみませんか?