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2022/07/27カラダコラム

スポーツドリンクには2種類ある、アイソトニックとハイポトニックの選び方

「運動して大量の汗をかくときは、スポーツドリンクを飲んだ方がいい」と言われますが、市販されている数多くのドリンクの中から、皆さんは何をポイントに選んでいますか? 味? イメージ? 値段?

どうせ飲むなら、熱中症を予防でき、パフォーマンスアップにつながるものがいいはず。スポーツドリンクの選び方について紹介します。

日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」によると、運動時に適した水分として以下が推奨されています。

(1)5~15度に冷やした水を用いる
(2)飲みやすい組成にする
(3)胃にたまりにくい組成および量にする

運動前後はアイソトニック、運動中はハイポトニック

さて、「スポーツドリンク」と言っても、大きく分けて2種類あることはご存じですか? 「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」で、違いは浸透圧(※)にあります。

アイソトニックとは「等張液」を意味し、安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。塩分は0.1~0.2%、糖質が約4~6%と体液に近い浸透圧のため、水分、糖質、塩分がバランスよく吸収されます。しかし、発汗によって体液が薄くなっていると吸収速度が落ちるので、運動前や後に飲むのが良いとされています。

一方のハイポトニックとは「低張液」を意味し、塩分や糖質の濃度が低めで、安静時の体液よりも低い浸透圧の飲料のことです。含まれる塩分は0.1%程度、糖質は2%程度と低めで、どちらかといえば、経口補水液に近い濃度です。運動による発汗で体液が薄くなっている時は、水分が腸管で速く吸収されるので、運動中や運動直後の水分補給に向いています。ただし、エネルギーを欲している時は、アイソトニックとの併用、もしくはアイソトニックを飲んだ方がいいでしょう。

以上のことから、スポーツ時のドリンク選びは、味や値段、商品イメージではなく、栄養成分表示を良く見て、目的や用途に沿ったものを選ぶことが大切と言えます。成分表示については、メーカーや商品によって単位が1本あたり(500mlなど)のものもありますので、100mlあたりに換算して確認するようにしてください。

どのタイミングで、何を、どれくらい飲めるか分からないときは、アイソトニック、ハイポトニックの両方を持参し、飲み分けるのもおすすめです。もちろん、暑くない時期に1時間以内の運動であれば、水や麦茶でも問題ありません。ただし、何も飲まずに40分以上の運動をしていると、体温が急激に上がって熱中症になりやすいので、必ず水分は補給しましょう。